Chromium OSを自分でビルドするのはかなり手間がかかり大変なのですが、ありがたい事に「Chromium OS カスタムビルド配布ページ」では、単にビルドするだけでなく、多くの機種が動作するよう手を入れたカスタムビルドを公開してくださっています。
今回は、Chromium OSを起動させて動作確認、システムディスクへのインストールを行うためのUSBメモリーの作成について手順を詳細に見ていきます。
当記事の内容
動作対象は狭いChromium OS
Google Chrome OSのオープンソース版であるChromium OSは、より軽量とすることもあってか、本来Linuxカーネルに含まれるドライバが、かなり限定的に搭載されており、動作対象が狭いものとなっています。
まずは、CPU。そしてWi-Fi、タッチパッド。これらのドライバが手持ちのPCに適合していれば、うまく動作することになろうかと思います。
動けばメッケもの、くらいの気持ちでトライしてみましょう。
用意するもの
USBメモリー:4GB以上のものが必要となります。
ビルド済みChromium OSイメージの入手
次のページから、「ダウンロードページ」へジャンプします。
GitHubで公開されており、この中の「USB Image (x86):download」からダウンロードさせていただきます。
x86とある通り、32bit版となります。古い機種でも動作する可能性は広いものとなることでしょう。
ダウンロードしたファイルは「.zip」で圧縮されているので展開を。展開後は「.img」ファイルとなっており、約2.5GBほどの容量となっています。
Win32 Disk Imagerの入手
Chromium OSのイメージファイルをUSBメモリーへ転送するツールとして、「Win32 Disk Imager」を次のアドレスからダウンロード&インストールします。
インストールの最後に「Win32 Disk Imagerの起動」にチェックが入っていますが、いったん終了を。
「Win32 Disk Imager」は、管理者権限での実行が必要です。インストール直後に起動してしまった場合、いったん終了させます。
改めて起動させると、許可を求められるので、「はい」を選んで起動させることで、、「Win32 Disk Imager」が管理者権限で起動します。
USBメモリーへのimgファイルの書き込み
パソコンにUSBメモリーを挿しておきます。
#外付けのハードディスクなどは、外しておきましょう。
フォルダーアイコンをクリックします。
ファイルを開くウィンドウが現れるので、ダウンロード&展開しておいた.imgファイルを読み込みます。
「Device」のところに表記されているドライブレターが、USBメモリーのものであることを確認して、「Write」をクリックします。
「本当に続けていいですか?」という確認画面が出ます。
「Yes」をクリックすると、書き込みが始まります。
書き込み成功という表記が出たら、終了です。
USBメモリーからの起動
USBメモリーなど、外部ストレージからPCを起動させる方法はメーカー/機種によって異なります。マニュアルなどをチェクを。
一般的なPCの場合、「F2」キーを押して「BIOS/UEFI」設定画面に入ります。
左右の矢印キーで、「Boot」タブに移動し、「USB HDD」、「USB Flash Drive」などの表記部分を上下の矢印キーで選択。この状態で多くの機種では、「F5」、「F6」のいずれかで項目を上位/下位に移動ができます。
「USB Flash Drive」を一番上に移動させることで、システムの起動の優先順位を最上位にすることができます。
初回起動
USBメモリーから起動できたら、初回はPCのシステム構成などをスキャンします。
チェックが終わると、いったん再起動が行われます。
2回目以降は、スキャンは行われず、すぐにデスクトップにログインできるようになります。
同じUSBメモリーを使って、他のPCをを起動させると、同様に初回はシステム構成チェックが行われます。
初回の設定
再起動時、Chromium のロゴが出て、「Welcom!」画面が現れたら、言語、キーボードレイアウトの指定、ネットワークの接続設定を行います。
多数の言語に対応している中で、日本語はリストの一番下にあります。
アカウントへのログイン
GoogleのアカウントやGoogle Apps for Businessのアカウント(メールアドレス)を入力します。
続いてパスワードを入力。
アカウントに表示するアイコンを選択します。
グレーの背景のデスクトップが現れます。
ログイン後のデスクトップ
初回ログイン後、自分のGoogleアカウントの設定が同期されます。特にChromeのアプリ、機能拡張までもが同期されるように設定されている場合(デフォルトでは有効になっています)、読み込みまでに多少時間がかかります。
画面右下のアイコン群をクリックすると、設定変更ができます。さらに「設定」をクリックすると、より多くの項目の設定変更ができます。
ファイルを開くと、Googleドライブにもアクセスできます。
画面左下の検索アイコンをクリックすると、検索窓が現れ、全てのアプリを起動できます。
Flashやmp3/aac/mp4(H.264)のマルチメディアコーデックは入っていないので、メディア・コンテンツの多くは再生できませんが、Webページの参照、Gmail、Googleドキュメント、その他多くのWebアプリを利用できます。
このように、うまく起動できれば、USBメモリーによる”ライブ起動”でも結構ストレスなく使用することができます。